ソフトウェアの設定について

ソフトウェアを利用する時、「設定」を變更することがよくあります。今囘はその「設定」についての意見を書きます。

1. 初期設定

まづ、ソフトウェアの初期設定 (デフォルト設定) は重要です。初期設定が自分の好み通りで設定が不要であれば、設定にかかる時間は少なくて濟みます。初期設定に不滿があり、設定をたくさん變更するなら、設定にかかる時間は多くなります。

厄介なことに、利用する OS やリポジトリーによつて、しばしば同じソフトでも初期設定に差異があります。例へば、たくさんのプラグインが有效になつてゐたり、反對に單純なままになつてゐたりします。特にテキストエディターなどで顯著です。

初期設定に不滿がある時、好み通りに設定を變へるよりも、初期設定のままで使用しやすい他のソフトウェアを探した方が樂な場合があります。

初期設定が筆者の好み通りなソフトは、(OpenBSD の場合) nvi や GNU nano、tmux などです。

2. 設定變更

次に、ソフトウェアの設定變更が簡單であることも重要です。設定變更の方法は、次の2通りに分けられます。

前者の設定ファイルを使用する場合では、設定ファイルの構造が單純であつたり、コメントつきのサンプルファイルがあつたりすると使ひ易いです。筆者が良い例だと思ふのは Dillo や i2pd の設定ファイルです。

後者の設定畫面を使用する場合では、畫面の作りや擧動が單純で操作を説明し易いことが重要です。

3. 設定項目の文書化

設定ファイルを記入する時は、マニュアルなどの文書を見ながら記入することが多いと思ひます。

man ページや、ソフトウェア内のヘルプ機能など、ウェブ以外の方法で文書を讀めると理想的ですが、ウェブ上に HTML 文書やチュートリアルがあるだけでも充分です。

文書には、項目名やその效果、設定値の説明、記入例があると迷ふことなく記入できます。

文書が無かつたり、不充分だつたりすると、設定のために個人のブログ記事などを探し周ることになります。これは良くありません。

良い文書の例は、X11 に附屬する XTerm などの man ページです。設定項目が多數 (殆ど?) 記載されてゐて、この man ページだけで殆ど思ひ通りに設定できます。

4. 設定の引き繼ぎ

新しい PC を入手した時や HDD/SSD を初期化した時には設定をやり直すことになります。できれば設定を引き繼ぎたいです。その手順は事前に確認する必要があります。

設定ファイルをそのまま複製/轉送するか、設定をファイルとして書き出し/復元するだけで濟むと樂です。

設定内容が「レジストリー」などの特殊な領域に記録されたり、設定ファイルに環境依存のパス (/home/takashi/foobar など) がたくさん入つたりすると、設定の引き繼ぎが面倒です。

手動で再設定をした方が早い場合もあります。その場合、設定方法が覺えやすいこと・思ひ出しやすいことが大切です。

前述の樣になるべく初期設定のままにすれば、設定の引き繼ぎは簡單になるか、不要になります。

5. 古いソフトウェア

設定を色々變更してみる場合は、活發に開發されてゐない古いソフトウェアの方が有利なこともあります。これから仕様が變はる可能性は低く、OS やリポジトリーによる差異も少ない傾向にあるため、1度設定をしてうまく動けば、その設定で使ひ續けられます。ただし、さういふソフトウェアは、リポジトリーから削除されてインストールしづらくなる恐れがあります。