uim-fep の紹介

uim-fep と anthy とを使用すれば、コンソール上で日本語を入力できます。長所は次の通りです。

本文中のコマンドなどは OpenBSD 向けです。自分の OS に合せて読み替へてください。

1. GTK版を使用中の場合

すでに GTK版の uim を使用中の場合、「uim-pref-gtk」を使用して、anthy の ON/OFF の操作に「alt + `」を指定します。全角/半角キーなどは、uim-fep で使用できないからです。

2. GTK版を使用しない場合

GTK版の uim を使用しないで、uim-fep だけを使用する手順は次の通りです。

始めに、uim のパッケージを導入します。anthy (日本語 IME) も一緒に導入されます。

導入:
# pkg_add uim

uim-fep を使用するには、環境変数「LANG」「LC_ALL」「LC_CTYPE」に言語とエンコーディングとを設定する必要があります。「.profile」などの設定ファイルに次の記述を追加します。

LANG の設定例:
export LANG=ja_JP.UTF-8
または:
export LANG=en_US.UTF-8

最後に、uim の設定ファイルを作成します。デフォルト設定では anthy が無効だから、anthy を使用できるようにします。また、anthy の ON/OFF の操作に「Alt + `」を指定します。

設定ファイルを作成:
$ vi ~/.uim
設定ファイルの中身:
$ cat ~/.uim
(define default-im-name 'anthy-utf8)
(define-key anthy-on-key? '("<Alt>`" generic-on-key?))
(define-key anthy-off-key? '("<Alt>`" "escape" generic-off-key?))

3. 起動と終了

コンソールで uim-fep を実行すると、日本語入力ができる状態になり、新しいシェルが起動します。また、-e オプションで、シェルではなく別のプログラムを起動できます。

起動:
$ uim-fep
起動 (tmux):
$ uim-fep -e tmux

uim-fep の起動後は、コンソールの最後の行に uim のインジケーターが表示されます。「anthy-utf8」が有効であること、「- 」(「直接入力」の意味)、「R」=(「ローマ字入力」の意味) を意味します。

インジケーター:
anthy-utf8[AnあR]

4. 入力の操作

起動時は直接入力になります。日本語入力を ON にするには、設定したキーバインド通り「alt + `」を押します。日本語入力を ON にすると、インジケーターの「- 」が「あ」=「日本語入力」に変化します。

インジケーター (日本語入力):
anthy-utf8[An- R]

この時、日本語をローマ字で入力できます。例として、「toukyou」と入力すると「とうきょう」になり、スペースを押すと漢字変換の候補が表示されます。候補の中から漢字「東京」を選んでエンターや「control + m」で確定すると「東京」が入力されます。

漢字変換の候補一覧:
1:東京 2:とうきょう 3:トウキョウ [1/3]

日本語入力を OFF にする時は「alt + `」かエスケープを入力します。エスケープで OFF にできる様に設定すると、Vim を使用する時に便利です。

漢字変換中の便利なキーバインドをいくつか紹介します。

control + p」:
前の候補を選択します。
スペース」または「control + n」:
次の候補を選択します。
control + b」:
前の文節に移動します。
control + f」:
次の文節に移動します。
F7」:
カタカナに変換します。

5. かな入力

私はローマ字入力よりも、かな入力を好みます。1つのひらがなを1つのキーで入力できます。ただし、キー配列は暗記が必要です。例として「ち」は「a」のキーに割り当てられます。

かな入力をするには、uim-pref-gtk で設定するか、設定ファイルに次の設定を追記します。

かな入力の設定:
(define default-widget_anthy_utf8_kana_input_method 'action_anthy_utf8_kana)

かな入力を設定すると、インジケーターに「か」と表示されます (「かな入力」の意味)。

インジケーター (かな入力):
anthy-utf8[An- か]

以上

uim の設定ファイルに関する資料は少なく、調査の余地があります。

参考