代替ブラウザーの重要性

1. 概要・長所

筆者が「代替ブラウザー」と呼ぶ物の重要性、Chrome・Firefox・Safari だけでは不充分な理由を説明します。又、代替ブラウザーに優しくする爲の配慮を紹介します。

代替ブラウザー (筆者の造語)
ウェブブラウザーのうち自前のレンダリングエンジンを持ち小規模な物。w3m・ELinks・Dillo・NetSurf・Kristall 等。

代替ブラウザーの共通の長所は「輕量さ」及び「良いデフォルト設定」です。「輕量さ」は速度や省メモリーだけではなく、依存パッケージがすくない事やソースからビルドし易い事も含みます。「良いデフォルト設定」はインストール直後の狀態でもプライバシーの懸念がすくなく、不要な機能をオフにする手間がかからない事です。

デフォルト設定は特に大切です。有名なブラウザーは利用者の知らないタイミングで Google や Mozilla のサーバーに沢山接續します。これを無駄だと感じる人も居ます。これらの接續を設定でオフにする作業は面倒です。小規模のブラウザーには無駄な機能はありません。故に小規模です。

2. 自由の精神

有名なブラウザー (Chrome・Firefox・Safari) はすべて企業の製品でありビジネスと強く結びつきます。ビジネスの爲には利用者に不利な機能も平氣で追加されます。

フリーソフトの持續の爲にビジネス化するのは重要な戰略ですが、殆どの大企業はフリーソフトの精神を持ちません。今は問題が無くても將来、ひどい機能が追加される可能性があります。

自由やシンプルを指向するブラウザーを愛用すれば上記の問題への對策になります。逃げ道を確保する爲にもブラウザーの選擇肢を沢山知る事は大切です。

3. 實用上の課題

ところが代替ブラウザーには實用上の課題があります。そのため誰にでも推奬できるわけではありません。

一方で次の目的には、專用のソフトか、一應はフリーソフトである Firefox・SeaMonkey や、Webkit 系 (Surf・Badwolf など) を使用すれば良いと考へます。これらの目的も重要ですが、ウェブの閲覧ではなくプログラムの實行だから、ブラウザーに必須の要件とは考へません。

4. 必要な配慮

代替ブラウザーの機能を強化する事以外で實用性を高めるには「HTML/CSS を工夫する」「ウェブに對する意識を變へる」事が有效です。

「HTML/CSS を工夫する」-- 文書の構造を HTML だけで明確に記述します (見出し・段落・リストを活用)。CSS は、一部の機能が無視される時の事も考へます (グレースフルデグラデーション [hozon size])。HTML/CSS のテンプレートを作成した時に w3m・Dillo・NetSurf 等のレンダリング結果を確認します。

「ウェブに對する意識を變へる」-- 大切な事は「HTML 文書で情報を傳へる事」「HTML 文書同士がハイパーリンクで繋がる事」です。他の事は小事です。制作者・利用者は全てのブラウザーのレンダリング結果が完全に同じになる事を期待しない方が良いです。

この樣な配慮があれば、代替ブラウザーに限らず様々な環境に易しいウェブになると信じます。しかも、技術の部分を單純にするしか無いから、初心者でもコンテンツを作り易くなるはずです。單純な HTML 文書がウェブの主流になれば、有名ブラウザーの重要性は下がります。さうなれば個人が新規のブラウザーを開發してウェブの主導權をユーザーの下に戾す事も夢ではありません。