歴史的假名遣の學習法

筆者が歴史的假名遣 (以下「歴史假名」) を身につけた方法を説明します。ウェブや書籍にたくさんの資料があるため、知識の部分はリンクで濟ませます。獨自の見解は「3」の節で述べます。

歴史假名をすらすらと書けるまでには1年ほどかかりました。國語で表現をする度に意識が働くため「1日何時間」みたいなルールは要りません。暮らしの中で自然と身につきます。

1.

先に歴史假名について「知つたかぶり」ができる程度の知識を集めます。歴史假名についての解説記事や、歴史假名で書かれた記事をたくさん讀みます。これには1箇月ほどかけます。

筆者はたまたま歴史假名で書かれた記事をみつけて「なぜ歴史假名で書くのか」と疑問に感じて、理由を調べるうちに、歴史假名に興味を持ちました。

次の資料を推奬します。

2.

歴史假名を讀み續けたら書きたくなるはずです。書きたくなつたら書き始めます。たくさん書き、假名遣のミスを確認し、修正する、このサイクルを續けます。

筆者は PC で一言日記を書きました。歴史假名の事より、日記の題材探しの方が負擔でした。日記と竝用して歴史假名の訓練時間を増やす方法を、次の節で説明します。

この段階で役に立つ資料です。

3.

歴史假名を頭に叩き込む裏技は、「現代假名遣」「歴史的假名遣」この2つの「論理積(AND)」で文章を書くことです。「現代假名遣」の文章から一部の表現を取り除きます。

例です。

「明日は晴れると思
→「明日は晴れるはず」(歴史假名:「明日は晴れると思」)
「それはないでしょう
→「恐らく、それはありませんよ」(歴史假名:「それはないでせう」)
「まず、そう云う事を考えるのが間違いです」
→「第一、その樣に受け取ることが良くありません」(歴史假名:「まさう事を考るのが間違です」)

實はこの記事自體がそれです。この方法で書けば「現代假名遣」と矛盾しないから、掲示板・SNS・メールで氣兼ねなく使用できます。普段の生活に取り入れられるから、訓練の量を大幅に増やすことができます。

暇な時に書いた文章を見直して「歴史的假名遣」と矛盾する箇所を探して修正する事が大切です。次の文字に注意します。

できるだけ漢字に變換して假名を減らす事も近道です。

この訓練を續けると使用できない単語や表現が出てきて、文章を書くときに「オット、これは使用できないぞ」とブレーキがかかるはずです。「思う」とか「考える」とかです。それこそが、歴史的假名遣で表記の異なる単語です。あとは決まりに從つて「う」「え」を適切な假名に置換するだけです。

この「ブレーキ」が效く樣になり、「ひ」「ゐ」・「へ」「ゑ」など選擇のミスをしなくなれば、自信を持つて歴史假名を書く事ができます。

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